脳内色色

自分の中の脳内整理。主にツイッターから発症。

女性とピル。3年間の個人的な感想。

おはようございます。
新年度と春と桜に追い掛け回されて、新しい視界が開けて、誰かと生きることに最近シフトしました。そんな私です。

さて、今回のお話はタイトル通り。
女性なら一度は聞いたことのある薬品名でしょう。男性は、まあ猥談の中くらいしか聞くことのないお薬の名前、ピルについてです。

私がピルを飲み始めたのは2015年の5月からです。なのでもうじき3年を迎えます。
3年も経過したので、まずどうして飲み始めたのか、総経費、実際の効果はどうなのか、というのを記載してみます。ただ、どうしても薬に関しての話なので、肉体的個人差があるのはご了承ください。

 

 

Q1.何で飲もうと思った?
A.生理不順と月経前症候群、月経痛の改善。避妊効果を目的として。

生理不順と言うほとではないのですが、何故かセックスすると生理が遅れます。最長で1月半。
普段は1週間程度の誤差ですが、セックスすると決まって半月〜1月飛ぶので飲んだ方が安心だな、と思ったからです。

後は月経前症候群PMSですね。7〜8割の女性が何かしらの症状が出てるという面倒な悩み。私の場合は偏頭痛と腰痛、神経質になって情緒不安定になるという症状でした。
月経痛は初日だけでしたが、鎮痛剤が必須だったのでこれも軽減されたら良いな程度。

 

 

Q2.どうやって貰うの?
A.婦人科受診→問診→診察→処方。

月経前症候群に悩んでるのですが、と相談しました。ピルと漢方、または神経質になることを抑える安定剤などもあるけどどうする?と聞かれました。
流石に認知度が低い為か、ピルを1発で勧められるということはなかったです。抵抗がなければピルを試してみたら良いと思うという提案でした。

月経前症候群、月経痛が起きる原因は、ホルモンバランスの変化です。
乱れ、と表現されることもありますが、多分変化と呼ぶ方が良いと思います。

先生曰く「月経前症候群が激しい人って、女性ホルモンが凄く出てるってことなの。だから生物学的には凄く良いことなのね。女性らしくて妊娠し易いってことだから。
ただ、それに振り回されちゃうと普通の生活も出来ないよね。あなたの場合はホルモンの量が多過ぎてそうなってるみたいだから、ホルモンの量を一定に抑えるようなピルにしましょう」

月経前症候群が酷い場合、生物学的には女性としての個体が優秀なようです。まあ社会生活を送る上では全く有難くないことなのですが。
なので、そのホルモンバランスの振れを抑えて一定にしよう、ということです。

 

 

Q3.貰うのに条件は?
A.血液検査。

ホルモンバランスをコントロールすることになるので、まず健康体かどうかというチェックが入ります。ただ、血液検査も金が掛かるので会社の健康診断を受けて結果を持っていく、でも大丈夫だと思います。私の場合は就職前の健康診断の結果の写真を撮っていたのでそれを見てもらいました。地味に健康診断や血液検査の結果を写真に撮っておくと医療機関で何か聞かれたり、説明する際に楽なのでお勧めです。

また、ピルを処方し続けて問題ないかを確認する為に、半年ごとに血液検査が必要です。血液検査は保険適用外なので、5000円程度掛かります。

 

 

Q4.どんなピルを飲んでる?
A.以前はオーソM21、現在は廃盤になったのでファボワール28というピルに変更。

ピルには超低用量、低用量、中高用量があり、含有されてるホルモン量によって区分されます。
超低容量〜低用量ピルは月経前症候群、月経痛、避妊目的で処方されることが多いです。
中高用量ピルは、超低用量や低容量ピルが開発されるより前にあったものです。副作用もあるので、生理不順や月経前症候群に処方されることはほぼないと思います。

ピルの中にも開発された順に世代があり、オーソM21は第1世代、ファボワールは第3世代に当たります。
簡単に言うと、世代が増えるほど新しいピルになります。現在は第4世代まであるのだとか。

また、一相性、段階型の違いもあります。一相性は錠剤辺りのホルモンの含有量が一定のもの、段階型は錠剤辺りのホルモンの含有量が違っており、女性の自然なホルモン分泌を目的としたものです。

前述の通り、素体の状態でホルモンが分泌され過ぎて乱高下している私は、第3世代の一相性ピルを飲んでます。
一相性、段階型どちらが良いかは医師と相談されるのが一番かと。

 

 

Q5.飲む時の注意点は?
A.毎日出来るだけ同じ時間に飲むこと。休薬期間はどうあっても7日間であること。

意外と忘れがちになります、これが。
飲み始めた頃はアラーム掛けてました。
ピルユーザーは大抵朝飲む派と夜飲む派に分かれます。昼飲むって人はあまり聞かない。
推奨はされないですが、服用時間に関しては2〜3時間の誤差は普通に問題ないようです。なので私は21:30〜23:00の間に飲むようにざっくりしてます。血中濃度が一定であることが必要なので、目くじら立ててこの時間に絶対飲まないと!とはしてない。

また、ピルには21錠シートと28錠シートがあります。21錠シートは休薬期間は何も服用しないもの。28錠シートは、休薬で飲まない期間があることが面倒、休薬期間が終わっても飲み忘れる可能性がある、というのを考慮したものです。
休薬期間はピルを飲まない仕様なのですが、その7日間が終わって飲み忘れたりということがあるので、何の成分も入ってない偽薬を飲むというものです。毎日飲むので忘れない、考えなくて良いってタイプですね。
私は最初21錠シートで、廃盤故に28錠シートに変わりましたが、逆に休薬期間は飲まないということに慣れてしまったので、偽薬は飲まずに捨ててます。
要は、ピルのホルモンが含まれてるのは21錠分、ということ。なので21日間は必ず飲もうね、というお話です。

あと、生理がまだ終わってないのに次のシートを始めて良いのか、ということもあるかと思いますが、休薬期間は7日間絶対。短くても長くても駄目なので出血してても次のシートが始まります。

 

 

Q6.飲み忘れたらどうなる?どうしたら良いの?
A. 生理が早まったり避妊効果が弱くなる。飲み忘れの対処はどれだけ期間が空いたかによって異なる。

私は最長1日飲み忘れたことがあります。それでも生理が早まったことはなかったです。ここは個人差が激しいから何とも言い難いけれど。
避妊効果はネットで言われている通りですね。
対処としては、24時間以内であれば、即飲んで、次の錠剤は時間通りに飲みましょう、ってくらい。
24時間以上飲み忘れた場合は、一旦ピルの服用を停止して、生理が起きてからまた飲み始める…というのが良いのかな。婦人科の先生に相談すると良いと思います。
1日忘れまでは許容範囲、といった感じでしょうか。
避妊目的なら24時間以上飲み忘れの場合はコンドームとの併用が一番安心ですね。

 

 

Q7.副作用は?
A.個人差が激しい。私はなかった。

飲み始めの頃はホルモンバランスの変化によって吐き気、頭痛、眩暈などを起こす方もいます。擬似的な妊娠状態にして排卵を防ぐってことだから軽くつわりになる人もいるのかもしれない。
ただ、これも個人差があって、私は無かったです。大抵は副作用があっても1ヶ月以内で身体が慣れるのだとか。

飲み続けていることによる副作用というか、リスクとしては血栓症になり易いという点ですかね。血管内で血液が固まってしまい浮腫が起きたり壊死したり場所によっては最悪脳に障害が起きたりするものです。脚の静脈に出来やすいので、婦人科ではよく「足浮腫んだりしてない?」と聞かれます。
服用していて少しでも変だな?可笑しいなと思った時は婦人科を受診した方が良いです。

 

 

Q8.値段は?
A.保険適用外だと病院によって様々。私は2200円。

ピルは保険適用外のことが多いです。婦人病の治療目的で保険適用になるケースもあるようですが大半は自費診療。
自費診療ってことは病院側が言い値を付けられるってことです、値段のガイドラインが決まってないんです。
ただ、余りにも病院によって値段が違い過ぎるとそれはそれで問題なので、何処の婦人科でも大抵2000円〜3000円程度での推移かと。

あと、ピルは個人輸入も出来ます。海外からの輸入だと値段がかなり安いのですが、病院でもらう方が安心なので私はやってません。完全な自己管理と自己責任になるのでピルに慣れてない人はやらない方が良いです。
もし輸入するとしても、最初はきちんと婦人科で検査や問診して貰った上で、という流れですね。ベテランピルユーザーは個人輸入してる人もいます。

そんな私の年間のピルの総額は2200円×12ヶ月で26400円。あと血液検査が5000円×年2回で10000円程度。総経費としては36400円程度。確定申告の医療費控除待った無し。

 

 

Q9.毎月貰いに行くの?毎月診察が必要?
A.半年分まで纏めて貰える。毎回の診察は必要なく、薬のみ貰うことも可能。

実は纏めて貰った方がお得です、1シート辺りの値段が恐らく下がります。ただ、1度に貰うとなると一気に金が飛ぶ。あと、複数シートがあると混乱する、シート無くすリスクを考えて毎月貰いに行ってます。その際、診察代などは無しでピル代のみです。
病院にもよりますが、最長半年分まで出してくれる所もあるようです。何で半年か?血液検査が半年ごとだから。

 

 

Q10.結構高いし毎日決まった時間に飲むのも面倒臭いのに続けるメリットって何?
A.色々ある。

あくまで個人差がありますが。
・生理前の頭痛と腰痛は軽減された
・生理期間が短くなった
・一層肌荒れしなくなった、更に色白になった
・生理不順解消、確実に規則正しく来る
・女性主体の避妊の安心感

生理前の1週間は頭痛と腰痛に悩まされてましたが、生理前2日程度に減りました。
肌荒れがなくなったのは女性ホルモンが一定化したからでしょう、皮膚科通いも合わせてニキビが全く出来なくなった。色白になったのも多分女性ホルモンから。
生理不順の解消は一番大きな所かと。21錠飲み終えてすぐに生理が来る、という方もいますけど私の場合は飲み終えて3日〜4日経ったくらいで来ます。ピルは飲み終えてから7日間の休薬期間を経て再開なのですが次のシート入る前に生理が終わります、多分生理期間5日くらい。
ルナ○ナで生理周期は記録してますが、恐ろしい程の正確さで来ます。28日周期。なので不慮の事故で服を汚すこともないのは気楽。

女性主体の避妊はあって全く損のないことだと思います。恋人いるけどまだ子供が必要ないって場合は飲め絶対、ってくらいには。
ピルが1ヶ月約3000円として、もし万が一で妊娠して中絶手術となったらその50倍からそれ以上掛かる可能性があります。アフターピルだと5倍程度かな、その辺りの計算は苦手なので詳しくしてないですけど。
ピル服用での妊娠確率が0.1%、コンドームでの避妊だと2%らしいです。なのでピルとコンドームを併用すればほぼ100%妊娠しません。
たまに「ピルを服用していたのに妊娠してしまった」というケースもありますが、これはピルを上手く吸収出来なかった、吐いてしまった、飲み忘れた、薬の飲み合わせが悪かったなどです。
地味に凄いのが、正しく服用出来てるなら避妊しなくても妊娠はほぼしないということ。あまり言いたくはないが雑に言うと「中出しされても妊娠しない」、ピルって凄い。

まあ、性感染症の話もあるからコンドーム無しでセックスなんて後々面倒臭いからやめておいた方が無難だと思います。男性がピルについて知ってることなんて「避妊しなくて良い」くらいなのでピル飲んでるとか言わない方が寧ろ良いのかもしれない。ただ、ピルの避妊効果は非常に高いのだと言うことは体感としてお伝えしておけます。

 

 

Q11.ピルが飲めない人っているの?
A. 持病や体質、肥満、ヘビースモーカー。

大まかにはこの3つです。
持病や体質は医師と相談しましょう。どうしても体質的にピルが合わない、吸収出来ないという方もいるようです。。
肥満とヘビースモーカーは前述した血栓症のリスクが跳ね上がるから。特に煙草は血栓症のリスクが150倍になるとかどうとか。ただ、私は月に1回喫煙する人間だったので体感だけで話すと「現状までは問題なかった」です。今は喫煙していないので何とも言えない。

最初の診察時に聞かれるのですが、喫煙は本当にピルと相性が悪い。いや、喫煙自体が人間の身体には毒なんですけどね。因みに最初の診察時は喫煙しない、で通り抜けました。良い子は真似しないように。

 

 

Q12.色々あったけどデメリットは?
A. 金。あと一部の偏見。

一番大きいのは費用面です。
値段の所にも書いたけれど、安くはない。万が一の時と比べたら安いが、月に確定で支出するというのも負担ではあります。
ただ、SMバーで勤務してる外国人のお姉様曰く「海外だと、手術でピルを二の腕に埋め込んで、それがゆっくり体内で吸収されるというのがある。飲み忘れのリスクもないし、一度手術したら1年間有効。値段も手頃だった」という皮下インプラント方式もあるようです。確実にこっちの方が楽だよなあと思うのですが、とある面から日本での普及はまだ先だろうとも思います。

それが、一部の偏見によるもの。
日本でのピル普及はかなり低く、そもそもの薬の認可が下りるまでに非常に時間が掛かったそうです。理由は大雑把に言うと「女性が性的に奔放になるから」。何だそれ。

ピルの効果は前述した通りなのですが、まずピルを服用していると真っ先に思われるのが「避妊しなくて良いからセックスし放題なんでしょ?」みたいなこと。日本は女性が性に関して話すことを特に嫌がる国なので、ピルが普及したら淫乱が生まれるみたいなことを考えられていたらしい。どんな思考回路だよと思うけど、未だに根深く残ってる様子。
私の母も私がピルを服用していると知ったら「相手が避妊してくれないの?」「コンドームで十分じゃない」「何で飲む必要かあるの?」など質問責めでした。この辺の偏見があるのが面倒臭い所ですね。ただ、面倒なら知られなきゃ良いだけの話です。

 

 

 


大まかにピルに対しての疑問や不明点になるであろうことをつらつら書き連ねましたが、結論としては「女性として気楽に生きたいならピルは良いぞ」ということです。半年の血液検査は身体の定期メンテナンスだと思えば良いし、肌荒れのビタミン剤感覚でさらっと捉えたら良いと思います。ピルって聞くと身構えてしまいがちですが、自分の身体を良い方向にコントロールするというだけのただのお薬です。

他に疑問があれば、個人の体感で良ければ答えるので聞いてください。何でも答えます。

 

毎月の生理前や生理中に悩むことが多い方は一度考えても良いアイテムだと思います。何にも恥ずかしいことはないから、困ってたらまずは婦人科で相談してみましょう。本当に、ビタミン剤と同じで「自分の身体を良くする1つの方法」なだけです。